ホームに到着した電車に乗り込むと、予想通りの混雑ぶりだった。

176cmと割と背の高いハヤテは、運良く空いたつり革に掴まる事が出来た。

メグミは他の乗客に押されながら、ハヤテの胸元にしがみつく。

(またかよ!!)

背中や腕など、他の乗客と触れ合っている事は気にならないのに、胸元にしがみつくメグミの体温だけが、やけにリアルに感じられた。

(なんだよもう…。どういうつもりだ?!)

この間と違って、コロンをつけていないメグミからは、シャンプーの香りだけがした。