願い橋。【短編】

私は願いを書いた葉っぱを投げ捨てる。


何度やっても川には落ちてくれない。



「だから言っただろ?やるだけ時間の無駄だって。」

私の姿を見ながらダルそうに欠伸をする。


「いい?次こそ絶対浮かべさせてみせるから!!」


投げ捨てた葉っぱは、風に流され遥か彼方に飛んでいった。



「お前って本当に暇人だな。そんなんだから先輩にフラれるんだよ。」


「うるさいっ!!」

そう言った瞬間投げた葉っぱがゆっくり、ゆっくり落ちていき、そして川に浮かんだ。


「「あ…!?」」


「み、見た!?川に浮かんだ!!だから言ったでしょ?やれば出来るって、可能性は0じゃないって!!」


「…あぁ。」



「それだけ?もっと他に言う事あるでしょ?」



「…たまには奇跡も起きるのな…。」



「たまに起きるから奇跡って言うんでしょ?本当バカだよね。」


「うるせぇよ!!でもさ、川に葉っぱが浮かんだからって願い叶うかどうか分かんなくね?」




「そっ、それは叶うに決まってんでしょ!!…奇跡が起きたんだから!!」