願い橋。【短編】

「そんなに先輩の事好きだったのかよ?」


違う。先輩の事は本当に大好きだったけどこの涙は違うの。


こんな女にダラしない男を本気で好きになってしまった自分が悔しいの。


始めは先輩にフラれたショックで泣いていたけれど、だんだんと悔しさが込み上げてきて、今ではこんな自分が悔しくて、情けなくて涙が止まらない。



「ふ~ん、そんなに好きだったんだ?」


無言で俯く私を見てポツリと言う。



「違う!!悔しいの!!あんな男見返してやるんだから!!」


手にしていた葉っぱを川に向け投げ捨てる。


葉っぱはピューと吹く風に流され川を越えた地面に落ちた。


それをみてがっくりと肩を落とす。