空くんは小柄な身体を折って深々と頭を下げた。


(この子が、壺を……)


半ズボンから除く脚は痣だらけで、目もどことなく諦めたようにトロンとしてる。

ちょっとワケありな感じなのは見てわかったけど、壺を割った理由とどうも直結しない。


「本当の目的は、壺じゃなかったんだよな?」


園森が膝をついて空くんと視線を合わせた。

少し迷ったような素振りを見せたけど、素直にこくんと頷く。


「え?壺じゃない?」


浜宮先生があざとく人差し指を立てて問う。


「空、竜太、花の、こいつらの目的は、一年三組のテストの問題用紙」