「愛恵さん…全部ほんとっすか?」

ようやく堺が口を開いた。

「ほんとょ」

「堺くん。ついてなくていいから。何かあれば電話する。社長には私から話すわ。地下で下ろして」

「…はい…わかりました…」


昼過ぎ…

愛恵がマンションに戻ったのは12時を過ぎていた…


部屋は 愛恵が出ていったままだった。


愛恵は先程の置き手紙を破り捨てた。

インスタントのコーヒーを入れて… 一息つく。

康介の診療所に電話を入れた。

明日 明後日には 彼らをも巻込む恐れがある…

「もしもし?」

「おっ。早起きだな」
また 嫌味を言う。

「ふざけてる体力なしだから。ようけんだけゆうわぁ」

「なんだょ。どうした?」

愛恵は 朝からの出来事を伝えた。

「大丈夫駄とは思うけど。優さんにも気をつけてと…それだけ」


「お前出れないじゃん。あとで優に必要なもの届けさせるぞ?」

「ありがとう。今のところ大丈夫…」

「気をつけて」


優は、何かあったのは
気付いたらしい。


康介は、一通り優に話す。
「家出れなきゃ大変だなぁ…」

「あとでなんか買い物してやるか…」

「うん…そうだね。…しかし、ほんとこうなると芸能人て大変ね…」


「だな…」

2人は、人事ではなく、愛恵とジョーが心配だった。