優が出て行った後、残された平井は立ち尽くしていた。
鏡に映る平井の心は後悔や葛藤で今にも溢れそうだったのだ。


(マネージャーなら自分のタレントの管理はしなきゃいけない…。
わかってるけど、あんなに大人びている彼でもまだ高校生なんだ。
勝手だけど…青春も謳歌して欲しい)


優の行動に規制をかけるべきか、自由にさせておくべきか…
このところ平井は頭を悩ませていた。


ーコンコン。


扉を叩くノックの音が聞こえたが、半分無意識に「どうぞ」と答える。


「すみません、失礼します」
コツン、とヒールの音を響かせ部屋に入ってきた女性。


「…っ!どうしたんですか!?」


その女性…昴のマネージャーである水島を見て平井は興奮しつつ驚く。


「急に押しかけてしまってすみません…。今少しだけお時間よろしいですか?」


もし忙しければまた伺います、という水島に「そんなことないです!大丈夫ですよ!!」と返事をして引き止めた。