そのメンバーは何の代わり映えもない3人で、学級委員の有紗、友達の芽衣、そして演劇部部長の田中。
「田中ちゃんは演劇部の舞台で公開日抜けちゃうからここのグループなの。
昴その日はいるって芽衣から聞いたから」
「昴公開日出れるって言ってたよね?」
芽衣と有紗が心配そうに見てくる。
この前文化祭の件を芽衣に話したときのことを芽衣は伝えていたらしい。
昴もちろん!と答えようと口を開きかけたその時、
「ごめん、あのさ…その櫻井さんのことなんだけども…」
その声にハッとする昴。
(そっか!舞台出るならクラスの企画出る時間無くなっちゃうんだ)
「実は今年の演目、彼女に出てもらうことになったの…」
「「はぁぁぁ!?!?」」
2人の叫びは教室内どころか廊下にまで響く。
クラス中の視線を集めるはめになった。
「え、いや、待って田中ちゃん。
それどういうこと?」
「じゃあ公開日ってあたしと有紗2人っきりで…ってことなの?」
本当ごめん!と頭を下げる田中。
一緒になり昴も頭を下げた。
「あ、でも芽衣、別に2人でも回るから大丈夫よ。だって受付だもん」
あんなに叫んでおきながらあっけらかんと言う有紗。
それと同時にこのタイミングで昴は自分の担当を知ることになった。
「あ、私たち受付なの」
「そう!昴いたらお客さん集まるかなって思ってさ」と笑う芽衣。
「でも芽衣、隣のクラス優いるよ」
するとニヤニヤと笑いながら、
「だからじゃん!人気女優対イケメン俳優どっちが集められるか。楽しみ〜」
(芽衣って結構策士なのね…)
「というわけで私たち2人はほとんど公開日は受付出来ないの…ごめんね本当に」
「ま、仕方ないよ」
ポンっと田中の肩を叩く有紗。
「でもさぁ、何で昴出ることになったの?演劇部って毎年ゲスト出演みたいなことしてたっけ?」
「あ、それはねぇ」と田中はこうなった経緯を説明し始めた。
