シーン25…
黒鷺と柳田(浪川凛太朗)、原田(藤森大輔)が口論になり黒鷺が言い負かす。
そこに斎藤次郎(宮藤優)が入って圧倒的な頭脳の差を見せ付ける、というもの。


3人は黒鷺の部屋の中で位置につき、
優は扉の裏でスタンバイ。


「よーい…アクション!!!!」





『…これ、どういうことです?』


バンっ!!
柳田が1枚の紙を机に突き出した。


『貴方がそんなに非情な人間だとは
思いませんでした!』


原田の一言に黒鷺は椅子に座り背を向けたまま返す。


『言いたいことはそれだけか?』


悪びれる様子の無い黒鷺に柳田と原田は怒りを露わにした。


『な…んだと…?ふざけるな!!』


『任務なら人の命を奪っていいと
思ってるんですか!?』


ふん、と鼻を鳴らすと椅子を回し正面に顔を向けた。
逆光で顔が暗く表情を読み取ることは難しい。


『僕がこれを世間に知らせれば貴方は犯罪者。 最悪極刑もあり得ます』


『あんたにとって昔のことかもしれないが、まだ時効前だ。残念だったな』


それは黒鷺が若いころ、とある任務に就いたときに起きた事件のこと。
病気で入院をしていた若い女性が亡くなったのだが、それは黒鷺が成りきっていた人物が仕組んだことだと訴えていた。



『なるほど。しかし私が捕まればお前ら2人も道連れになるぞ』


『既にその覚悟…は…』


指を組み真っ直ぐに前を見る。
そして不敵な笑みを浮かべる黒鷺。


『そっ…あ…えっと…』





原田役の藤森が言葉を詰まらせる。
すぐに鈴屋は止め、浪川と藤森を呼んだ。

江田に続き藤森の様子に静まり返る周囲のスタッフたち。
昴は不安の色を隠せなかった。