「ねぇ〜芽衣!」

翌日、学校に行った昴は泊まりの許可が下りたことを伝えた。
本当に!?と目を輝かせる芽衣。


今日は学校の終業式。
明日から入る夏休みに他の生徒たちは心を弾ませ、楽しそうに話していた。


もちろんそれは瀬山芽衣も例外ではない。


「昴んち行くの初めて!」
彼女は飛び跳ねて喜んでいた。


「でも…ごめんね昴
お仕事忙しいのにワガママ言って」


「何言ってるの芽衣?本気?」
怖い顔で目を見る昴。


「私にとって芽衣と遊べる時間は
すっごく大事なの!
だから…お願い、謝らないで」


昴にとって芽衣は
本心を曝け出すことの出来る友人。
彼女は心の拠り所でもあった。


「そうだよね!昴寂しがりだもんね!」
ふふふっと笑う芽衣。


そんな騒がしい教室に担任が入ってきたと気付いたのは、大きな音をたて勢いよくドアが開いたから。


汗をかきながら担任が「座れー!」
と、いつものように怒る。


楽しい会話が途切れるのは名残惜しいが渋々昴と芽衣も席についた。
目配せをしながらふふっと笑う2人。


これから始まる長い終業式に
はぁ、とため息を吐く昴だった。