「ねぇ、水島さん」


ひょっこりと顔を出した昴はパソコンをしている水島の側へと来た。
「ん、どうしたの?」と聞く。



「家に友達呼んでもいいかなぁ?」



「友達って…芽衣ちゃん?」



こくりと頷く昴。
学校で仲の良い芽衣の存在は水島も知っていた。



これぐらいの年の子だったら友達と遊んだりするの普通なんだよなぁ…
と水島は思い、昴のお願いを聞き入れた。


「…泊めてもいい?」



もうここまでくると好きにしなさい!とまで思ってしまう。
泊まりぐらいいいだろう!とこれにも許可をした。



「学校が終わってクランクインするまでの間ならスケジュール空いてるけど…芽衣ちゃんの予定は大丈夫なの?」



「えーっと、ちょっと待ってね…」



昴が携帯で連絡を取るとすぐに返事は返ってきた。


「この日大丈夫だって!」



水島のデスクに置いてあるカレンダーの日付を指差して報告する昴。



「ん、わかった。
じゃあこの日芽衣ちゃん来るのね」



水島はカレンダーに印を付け、持ち歩いている手帳にも予定を書き込む。
7月半ばからは当分映画の撮影でビッシリ予定は埋まっていた。
遊ぶのならこの時期ぐらいしかないだろう。