はぁ、はぁ、
と息が上がる2人に盛大な拍手が送られた。


「櫻井と宮藤すごいな!!!!!」


想像以上に体力を消耗した昴はその場に座り込んでしまった。



「昴、大丈夫か?」


「だって優…すごいんだもん。
私本気になっちゃったよ」



へへへっと笑う昴の頭をわしゃわしゃを撫でる優。
女の子たちの中には数名黄色い声を発する子もいた。



「やっぱ櫻井昴が相手だと全力にさせらるわ」


それはこっちのセリフ!と怒る昴。


帰るぞ、と昴の荷物を持った優は、
人をかきわけ歩いていく。


「え?ちょっ…優!!」


ずんずんと進む後ろ姿を追うしかない。


全く後ろを振り返ることもなく、ペースの速い優に昴が追いつくのは大変だった。

(しかも階段1段飛ばして降りて…!
少しは待ってよ優!)


必死に追いかけた結果、下駄箱で捕まえることに成功。


「優…待ってよ」


捕まえたと言わんばかりに優のシャツを掴む。


「ちょっ…昴!」


(顔赤くしてどうしたの?
そんなことより…)
はい、と右手を差し出す。


「私の荷物返して!」


なんだよ、折角持ってきてやったのにー!とブツブツ言っているが、
昴はそんなのお構いなし。



あっかんべー!と舌を出し逃げた昴。
優がそれを追ったかは…ご想像通り。