ここ最近では昴が放課後まで学校にいることは珍しく、今日はそんな珍しい日であった。



大半の子が部活やバイトがあり教室から出て行ってしまう。1人教室に残っていた昴はふと時計に目をやった。



(いつもならこの時間仕事してるなぁ)



おもむろに立ち上がり荷物を持って廊下へと出る。放課後のこの時間帯は滅多に人はおらず、動いても人に怪我をさせる心配は無い。



長い髪の毛を上にきゅっと束ね気合を入れる昴。
ふーっと息を吐いた。
その次の瞬間…



高くジャンプしてそのまま宙返りをし発砲する、
そこから2回バク転をし後ろに発砲し、
寝た状態で発砲し起き上がってバク転して最後に2発。



体操選手のような華麗な動き。
これが昴の努力の結晶だった。



はぁ、と我に返ると周りにはギャラリーが出来ていた。
いつの間に!?と気付かないほど集中して動いていた昴。


途端に大きな拍手に包まれ、困惑する。


「昴」


ギャラリーの中から出てきた優。



「やる場所考えろ!ここでやったら
みんな昴のこと見に来ちゃうから」


優からのお咎めは幸いなかった。
しかし、その代わりに投げつけられたものは…


「…木刀!?なんでよ?」


「やろうよ昴、ぜひお手合わせを」



優が刀を扱えるのか昴にはわからないが、言われるがまま一階上の広めの廊下へと移動する。
ぞろぞろと2人に続きギャラリーが動いてきた。


「待ってよ優…人いっぱいいるよ…」


「大丈夫大丈夫!このスペースあればカメラがあったって動けるさ」


私が言ってるのスペースの問題じゃないから!!!
とは言える雰囲気ではなかった。