あれからアクションは練習を重ね、当初よりもマシなのではないかと昴は思えるぐらいにまで上達した。



銃を使ったアクション、
刀を持ったアクション、
両方をやるのは難しいがやりがいはとても感じていた。



しかしアクションの難点は…


「いててててっ!いった!」


全身がとんでもない筋肉痛に襲われるということ。


「昴、大丈夫?」


心配そうに顔を覗き込む芽衣。
だ、大丈夫よ…と苦笑いにしかならない。


「女優さんって大変そう…
あんまり無理しないでよ?」


「ありがと芽衣。でも大丈夫!
最近段々出来るようになってきて
自分でも楽しいんだ!」



昴が多少無理をして突っ走る性格なのを知ってても、毎度心配になる芽衣。



「昴ならそう言うと思ってた!
ほら。はいこれ」


すると芽衣はカバンから取り出したビニール袋を差し出した。
昴が触った感じだと大きな箱が中に入っている。


「…え、芽衣、これ」


袋に入っていたのは湿布だった。
友人の心遣いに吹き出す昴。



「なーんで笑うの!?」


「いやいやいや、心配してくれて嬉しいなって!ありがとう芽衣」



思いがけないプレゼントをカバンの中にしまい、次の英語の授業の用意をした。