「優ばっかりじゃなくてさ、私も聞きたいことあるんだけど…いい?」
手をこっちに向けてにこやかに「どうぞ」と言わんばかりの仕草をする優。
「文化祭どんな感じ?」
「へ?ぶ…文化祭??」
唐突過ぎて気の抜けた返事になった。
「よくこの流れで文化祭の話持ってきたな〜」
「や、だって聞きたいことあるんだけどって言ったらどうぞって返したのそっちじゃん!」
確かにそりゃそうだけど…とブツブツ言いながらも質問の答えを探していた。
「まぁ、あれかな、クラス企画は纏まって来てるって感じかな。昴のとこはコスプレ喫茶だっけ?どう?」
「なんかね、受付係やることになった」
「受付!?昴も!?」
「あー、そういえば優も受付…なんだっけ?」
苦笑いしつつ「クラスの子から聞いたんだよね〜」と。
「そっちもか…同じようなこと考えるやつは多いってことだな」
ため息と一緒に優の頭には海斗の満面の笑みが浮かんできた。
