「け、剣術練習って…あれ練習だったの!?」


そうだよー、とあっけらかんな返事。


「あれ、私相当本気でやって体力使ったんだけどな…」


「だって壁走るんだもん」


ねぇ櫻井さん?と意地悪な笑いを浮かべる優に昴は少し怒る。


「そういうシーンだったじゃん!
って優が木刀なんて持ち出してくるからそうなったんじゃん!!」


ご立腹な昴を宥めて話を続きを始めた。


「けどよくあのワンフレーズだけで『最後の剣士』ってわかったね」


「中学生のときよく見てたからね!」


2人が小学校高学年のときに公開されたこの映画は、ハリウッドでアクションをしてきた人や剣術の達人が監修をして、剣術シーンはとても高評価だった。


剣術のみならず音楽、画、ストーリー、演技全てにおいて高評価を得て、あの超有名な映画賞にノミネートされたほど。



偶然にも2人とも『最後の剣士』が好きだったらしい。


「へー、だからあんなに動きコピー出来たんだ」


あれは見よう見真似だったんだけど…と付け加える昴。