「ツヤコ」



呼び声と共にあたしの伏せてる机がガタガタと揺れる。


地震……? いいやそんなわけない。揺れてるのは机とそこに伏せてる上半身だけ。だからこれはアキが原因に決まってる。



「んー?」

「ほら、昼だぞ。起きろって」



あっ、もうそんな時間?



「んんっ、英語の時間じゃないの?」

「ばーか、それ二時間目の授業だろうが。どんだけ寝てんだよ」

「どんだけでも寝れる」

「マジで寝過ぎだろ」



気だるさを感じながら大きく伸びをした。まるで猫が起きた時にするように。



「今日はあの子来ないんだな」

「んー? あの子って?」



伸びをしてもまだ覚醒しきれない。あくびをして窓の外から差し込む光に目を細めた。


本当にあたし、寝過ぎかもしれない。


昨日何時に寝たんだっけ。そんな遅くなかった気がするんだけど。