「ふ……ふふっ」
うつ伏せてた体をぐるんと捻り、仰向けになる。
腕を伸ばしてマカロンを掲げ見ながら、ついつい顔がにやけてしまう。
瀬戸ってばどんな顔してこれ買ったんだろう。きっと頭を掻きながらこれを指差して、ぶっきらぼうに購入したんだろうな。想像するとよけい笑える。
購入するところを見たかったなぁ。ああ、残念だ。
体を起こし箱を開けると、箱の中にはマカロンが3つ。種の色が白と黒と茶色のいちごマカロン。
そのひとつを取り出し、口に運ぶ。
すると中からいちごのソースが現れて、口の中に甘い香りが広がった。
……おいしい〜!
思わず足をバタつかせ、もう一口頬張る。
うう、本当においしい〜! なんて幸せになれる味なんだこれは。
最後の一口をパクリと食べ、口内に広がる甘酸っぱいいちごの味に酔いしれている時、脳裏を過ったのはーー瀬戸の後ろ姿。