「あーもう、わかったよ」
返すよ。返せばいーんでしょ。
「はい! もう返すから、さっさと前向いて。あたしは寝るから」
一度はしまったお菓子の袋を取り出し、瀬戸に向けてかざす。
鞄の中に無理矢理詰め込んだせいで袋はボロボロだ。でもこれは瀬戸が悪いんだから仕方ない。中身が何かはわからないけど、それが無事な事だけを祈ろう。
いいやあたしが食べれないのであれば、中身なんてもうどーだっていい。
けど、瀬戸は動かない。
ほれほれって言いながら手を伸ばしてるのに、なかなかお菓子袋を受け取ろうとしない。
……なんなんだ? 何が不満なのよ。
「秋月」
「なによ」
「そんなに、嫌だった……?」