「じゃあ、これもいらないって事でいいんだな?」
そう言って机に掛けていたかばんの中を何やらごそごそと探しはじめた。
「せっかく準備しておいたんだけどなぁ」
そっ、それは……。
その手にあるのは……。
「スターツスイーツ……!」
美味しいと前評判はもちろんのこと、毎日行列が出来るほど有名なお菓子専門店。
間違いない、あの茶色い紙袋。そこに描かれた英国調なスターツのロゴ。
そしてなにより、あの瀬戸のドヤ顔……間違いなく、あれはスターツスイーツに違いない。
ーーごくり。
喉を鳴らしたのを皮切りに、あたしは思いきり手を伸ばし紙袋を掴もうとした。
……けれどあたしの右手は、スカッと清々しく空を掴んだだけ。



