妄想ラブレター




ほんと、こんなやつだとは思わなかった。


なんだかんだ空気は読むし、けっこう面白いやつって思ってたのに。


一気に瀬戸という人間に興味がなくなった。


確かにあたしだって昨日、瀬戸の手紙を破いたかもしれない。でもあれは言い出しっぺの瀬戸があんな適当な手紙持ってくるからだし。


むしろ手紙じゃないし。メモに近いし。


けど、あたしは違ったのに……あーやっぱむかつく~!


もう、絶対口聞かない。暇つぶしにだって付き合ってやんない。もー知らない。


あたしは再び椅子に座って、机に伏せた。


腕でバリケードでも張るように、組んだ腕の中に頭を入れて、目を閉じた。



「……秋月」



知んないし。話しかけてくんな。



「おい。なぁって」



うっさいわ。



「なぁ、それ多分勘違いだから」



勘違いってなんだよ。あの言葉が全てだったじゃん。今更言い訳なんて見苦しい。