妄想ラブレター




アキは覗き込むようにあたしの顔に近づいて……唇を重ねた。



チュッ。



なんて可愛らしくも艶めかしい音を奏でて……。


暫く意識が飛んでいたのかもしれない。


ボー然として、全くもって身動きがとれなかったから。


けど、アキがあたしの腕を引っ張って自分の腰に腕を回させて、「行くぞ」って言った声が耳に届いた時、やっと時間が動き出した。


ギギッという音を立てて自転車は滑るように走り出す。


……ちょ、ちょっと。


ちょっと待って。ねぇ……今、何が起きた……?



「ア、アキ……」

「うん」

「なんで……?」

「嫌だった?」



自転車はゆっくりと止まった。


少し不安そうな目でアキは振り向く。