「ツヤコ」
「な、なに」
「……キス、していい?」
……はっ。
はぁぁぁ!?
「だめ?」
なんて小さく首を傾げて、あたしの顔を覗き込んでる。
そんなアキの瞳はとろけるように熱を帯びてる。
……お願いだから。
お願いだからさ……そーいう事は聞かないで。
どーしよ! どーしたらいいの!?
どう答えるのが正解?
いいよ、だなんて言えない!
恥ずかしげもなくそんな事言えない!
ってかここ学校だし、良い訳ない。
しかも校門だし。
正門は反対方向だから人気は少ないし、もう大体の生徒は帰ってると思う。
けど、けど……!
「ちっ」
思わずこぼれた舌打ち。
っていうか気づいたら舌打ちしてた。
もうこれはクセだ。
苛立った時や困った時にしてしまうクセ。
さすがにこの癖をそろそろ本気で直さなきゃダメかも……。
そんな事考えてたせいでか、あたしは気づいてなかった。
それが合図になったって事にーー。



