そう思ってあたしは……思い切ってギュッと腕に力を込めた。
背中に額をくっつけて。
こうしたら顔が赤くたってアキからは見えないし。
見えないってわかれば、いつもより大胆になれる。
そう思って……。
……。
…………ん? あれ?
自転車はなかなか動き出さない。
なんで……?
そう思ってアキの顔を覗き込もうとした時、前から弱々しい声が聞こえてきた。
「ツヤコ……それ、やばい」
「……え?」
「ちょっと腕、緩めてくれる?」
「あっ、ごめ」
苦しかったのか。ちょっと強く締め過ぎてしまった……。
そう思って少し腕を緩めて、前を覗き込んだ。



