妄想ラブレター








「んっ……」



教室内がガタガタする雑音に目が覚め、机に突っ伏したまま腕を伸ばした。


んー、よく寝た。


少しだるい瞼を押し上げ、辺りを見渡す。


夕日に焼けた教室。数人のクラスメイトが帰り支度をし、残りは帰ってしまったようだ。



「やっと起きた」



その声に惹かれるように、あたしは顔を向ける。


すると鞄を肩にさげたまま隣の席に座ってるアキがいた。


もう隣の席のクラスメイトは帰ってしまったようだ。


アキは肘を付き、あたしをじっと見つめてる。



…………び、っくりした。



思わずアキとは反対側の壁に向かって顔を逸らしてしまった。



「なんだよ」



ちょっぴり不服そうな声が後頭部から聞こえる。