妄想ラブレター




「こないだだって、ボーリング苦手なクセにカンが呼んだらすぐ来たじゃないかよ」



それはアキも来るかもって思ったから。


アキに会いたくて行ったんだし。



「ずっと様子が変だったし。ほら、おれとケーキ食べに行った時はどっか気まずそうだったのに」

「それは……」



好きだからじゃん。


アキが好きだから。


だからどんな態度とったらいいのか、分からなくなったんだよ。



「おれと他の人をくっつけようとしたり」

「あたしがいつくっつけようとしたのよ」

「手紙、渡してきたろ?」

「それはっ……アキに宛てた手紙だからでしょ?」



当然じゃんか。あのまま手紙を盗むなんて出来るわけない。


ううん、本当は渡したくなんてなかった。


けど、あたしだってアキが好き。


だから告白する勇気がどれほどのものか知ってるから……。



「先輩との事も応援されてるみたいだったしな……」



アキはちょっぴり悲しそうに笑った。


けど悲しいのはあたしの方だ。


告白してもなお、アキはあたしの事を見てくれてない。



その時、頬を掠める風がやけにひんやりと冷たく感じた。