妄想ラブレター




はぁ?



「なに言ってんの? おちょくってなんかないし」

「もういいよ。ツヤコはカンに似てるところがあるって思ってたし。そうやっておれの反応見て面白がってるんだろ」



なにこいつ。人の精一杯の告白を……人生初の告白を……こっちのがおちょくられてる気分だし。


すっごいむかつく。



……まぁ、確かに。


ちょっと面白がってはいたけど。


でもさ、だってさ。

この一瞬にすごい勇気振り絞ってるんだからね。

気を抜いたら足が笑い出しそうなくらいなんだからね。

今だって気づいてないかもしれないけど、小刻みに震えてるんだからね。



「信じてくれないなら、もういい。それ、返して」



好きの一言が書かれた手紙。


ううん、手紙だなんて呼べるような代物じゃない。


なにせノートの切れ端だし。


紙ひこうきにしちゃったからシワだらけだし。


それになによりあんなに練習したのに、実践ではたったの一言だし。



「やっぱり……あんな恋文なんて、なんの実にもならないじゃん」