妄想ラブレター




だってあれは勢いで書いてしまっただけで……一旦冷静になってしまったら、恥ずかしくて仕方ない。


全ては勢いだった。

一度挫けてしまった事により、心は平静を呼び戻してしまった。だからもう今となっては……あれの中身を読まれまいと必死だった。


どうやらさっきまでの勇気と勢いはもう、さっきの風と共に去ってしまったみたい。



「今からそっち行くから。だからそれ、見ちゃダメ! 絶対ダメ!」



悲鳴に近い声で叫び、そのまま駆け出した。階段を2段飛ばしで駆け下り、息を切らせてアキのところへ向かう。


校舎を飛び出し、裏庭を駆け、そこで佇むアキを見つけてーー息が止まった。



「……あっ」



アキがあたしを睨んでる。


それも相当な……鬼の形相で。


……し、しまった。


アキの手元には、くしゃくしゃになったノートの切れ端。


それはさっきあたしがアキに投げてたもの。


届きもしない、かすりもしない。ただただアキに向けた悪口の手紙。



「……ケンカ売りにきた?」



そんな。

めっそうもございません。