妄想ラブレター




だけど。



途中までスイスイと泳いでいたひこうきが突然急降下をはじめる。


掴みかけていた風が突然ひこうきの行く手を阻みはじめる。


紙で出来たひこうきの動力源のひとつである風。それが逆手に取られたとなれば、あとは力無く墜落するだけだ。


それもアキの場所まで届かず、彼の遥か後方で。



ああ……ひこうきもあたしの想いもアキの元へは届かないんだ。


そりゃ、そうだ。


そりゃそうだよね。


そんなドラマチックな展開あるわけない。


そう思ってる間にもアキはどんどん歩いてって、どんどん小さくなってゆく。


あたしはがっくり項垂れて肩を落とす。なんだか一気に疲労が押し寄せてきた気がする。


すっごい疲れた。

あたし一体、なにやってんだろ。



「……かえろ」



……まぁ、これで諦めもつくかも。


うん、そうだそうだ。


きっとこれはもう縁がなかったって事だ。


アキとあたしはくっつく運命になかったって事だな。


うん……。


それって……すごく悲しいけど。


でもこればっかりは仕方ないよ。うん。


なんとか自分を言いくるめて、くるりと背を向け歩き出した。