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「やっと終わったー!」
んーっと腕を伸ばし伸びをする。
ずっと机にかじりついていたせいで体がなまって仕方ないな。
「秋月、今日やったところは帰ってからもちゃんと復習しておくんだぞ」
「はぁーい」
生返事を返し、ノートと筆記用具をまとめて教室を後にした。
どうやらあたしの成績は相当やばいらしい。
授業中はなるべく頑張って起きてる。
ってか、一番前のせいで寝れないだけだけど。
でも起きてるのに授業に身が入らない。結果、前の席の時より授業を聞いてるはずなのに、点数が下がった。
小テストで散々な結果だったせいで毎週放課後、補修とか……。
でもここでテストの点を落とすわけにはいかない。なにせ進級がかかってるんだ。
……そう思って自分を奮い立たせてるけど、なかなか上手くいかないものだ。
「先生、さよーなら!」
「おっ、帰る時だけは威勢がいいな」
当たり前じゃん。
そう思いつつ、何も言わないで笑顔で教室の扉を閉めた。
さて、一旦自分のクラスに戻ってかばん取って来なくちゃ。