あんなに会いたいと思ってたけど、今はちょっと会いたくない。会ったらどんな顔をしたらいいのかわからない。
「そんな気分じゃないからいい。それにボーリング下手だし」
『ばーか。気分じゃない時にするのがボーリングだろ』
馬鹿はお前だ。なんてむちゃくちゃな話なんだよ。
「ちっ」
『まぁまぁイライラすんな。むしろイライラしてんならボーリングしに来い。スカッとするぞー! ツヤコのへっぴりボーラー具合も見せてもらおうじゃねーか。はははっ』
「今心が決まったわ。絶対行かない」
そして次会った時覚えてろ。
『わー! そう言うなよ。悪かったって。ちゃんとバランスよくチームは分けるから。おい、アキからもツヤコになんか言ってやれ』
そう言って電話の向こうでガサガザ音が聞こえる。
けどそれよりも、あたしはアキの名前にどきりとした。
心臓が飛び上がるのを感じながら、耳は電話の向こうに集中する。



