妄想ラブレター




先輩は思ったよりも快活そう。冬なのに夏の日焼けがほんのりそれを助長させてる。



「ズバリ聞きますが、先輩と瀬戸は付き合ってないですよね?」



……はっ、はぁぁぁ!?



「ちょっ、えりな!」

「どーなんですか?」



こら! 無視すんな!



「付き合ってないよ」



その言葉を聞いて、あたしを無視し続けるえりなに対する怒りが一瞬で消えた。


意識が全部先輩の言葉に飲み込まれたから。


付き合ってない……先輩とアキは付き合ってない……。


突然足元から這い上がる喜び。体が小刻みに震えだす。


あっという間に冬を通り越して春がやってきた感覚。世界は色づき、暖かな日差しがあたしを照らす。スキップでもしちゃいたい衝動に駆られる。


けれどこの後の言葉に、あたしの浮かれた気持ちは一気に奈落へと転落してく。



「あたしは瀬戸くんが好きだけど」

「えっ!」



驚きの声はあたしでもえりなでもない。先輩の目の前に座るご友人から発せられたものだ。


どうやら先輩は友人にもその事を告げてなかったようだ。