相変わらず込んでいる店内。
楽しそうに友達同士で会話している席、カップルが微笑み合ってる席……そんな中で、ひとり座ってるあたし。
向かいにはさっきまでアキがいた事を物語る、空っぽの食器。
それをぼーっと見つめながら、頭の中でさっきの出来事を振り返る。
……なんで、あんな事言っちゃったのかな。
どうして怒りに身を任せてしまったんだろ。思った事を言うのはあたしの悪いクセ。
でも、今回はちょっと違う。あきらかにアキに怒りをぶつけただけ。
ーーあたしの気持ちも知らないくせに。
そんな想いがあたしを駆り立てた。
でも、あたしだって自分の気持ちに気づいたのはついさっきだって言うのに。それなのにあんな言い方するなんて……マジで最低だ。
あたしの気持ちなんて知るわけないじゃん。言ってもないんだから。
だけどーー。
どうしたらいいと思う?
……あのセリフにはかなりムカついた。
悲しいを通り超して、なんかショックだった。
でもアキが言ったようにただ意見を聞きたかっただけで、それ以上の意味は無いんだと思う。友人として、女子として、一意見が聞きたかったんだろうな。