妄想ラブレター




「あ、えっと。どーなってんの? ……え? これ、ツヤコから……じゃないんだよな?」



どこまで鈍いんだこのヤロウ。


どー見たってあたしの字じゃないでしょーが。コロコロ丸っこい可愛らしい字、あたしが一度でも書いた事あったか。



「だから本当のラブレターなんだってば。あたしのじゃないけど……アキに送った正真正銘のラブレターなんだって」



だんだんムカついてきた。


なんであたしが知らない子のラブレターの説明しなきゃなんないんだよ。

馬鹿みたいじゃんか。



「いや、だって……」



まだ脳内で処理しきれないらしい。


イライラしながら補足する。



「今朝、いつものように手紙を入れようと思ったら、先に入ってたんだよアキの靴箱の中に」

「……でも、なんでそれをツヤコが持ってたんだ?」



ぎくり。

なんとも痛い質問してくれる。


やっと冷静さが戻って来たか。



「いや、ちょっとびっくりしちゃって。なんせあたしも今朝手紙を入れようとしてたから、先客いるなんて思わないじゃん? そしたら人がやって来るし、あたしも気が動転しちゃって……持ってっちゃった」



今度は確実に引きつってるであろう笑顔を向けた。


けれどアキは一瞬あたしの顔を見ただけで、再び目線は手紙へと向けている。