妄想ラブレター




「じ、実は……」



あたしは持っていたフォークをお皿に置き、窓際に置いていた鞄の中を探った。


ぐちゃぐちゃにならないよう、教科書の中に挟んでおいた2通の手紙。その中のひとつを机の上、アキの目の前に差し出した。



「ああ、ありが……とう?」



初めはいつもやり取りしてる手紙だと思ったのだろう。けれどいつものとは少し違う。その違和感を感じ取ったアキは小さく首を傾げ、言葉の語尾を上げた。



「これ……なんだ?」



まぁ、気づくよね。

便せんが違うっていうのは別に変じゃない。便せんってセットになってるから無くなるまで同じもの使いはするけど、紙や封筒が切れれば新しいものを使用するのは当然だし。


けど封筒に書かれた文字、これはいつもと違えば不思議に思うのも当然だ。

ううん、もしかするとあたしの態度が普段とは違って見えてるのかもしれない。自分で言うのもなんだけど、ぎこちないったら無いもんな……。


平静を装ってるつもりだけど、本当は心臓がすごく痛い。


自分が好きになった人に、別の誰かが書いた手紙を渡さなければならないなんて……なんて拷問なんだろう。