「いや、おれは別にいいよ」
「えー、もったいない。これを食べないなんてもったいない! ねっ、食べたくなってきたでしょ? なってきたでしょ?」
「なに? じゃあひと口くれんの?」
アキが身を乗りだして来た。けどーー。
「マカロンあげようか」
「ケーキよこせよ」
「でもその代わりアキのマカロンちょうだいよね」
残ってるマカロンを指差して、そう言った。
そしたら呆れ声で再び肘をつくアキ。
「鼻っから食べさす気ないだろ。なんでマカロンの物々交換なんだよ。それ全くの無意味だろ」
だって世の中とはそんな甘くないんだってば。
だからケーキはあげない。
呆れてるアキなんてほっといて、あたしは再びケーキを頬張る。
今度はさっきよりもたくさんすくって食べた。
……本気で気をつけないと頬が落ちてしまうかもしれないな。
そう思えるくらい、美味しい。



