「あっ、やっぱこの時間でも込んでるんだな」



上品そうなピンクと白を基調としたお店は、こんなに寒いというのにテラス席までいっぱいだった。



「さすがスターツスイーツ……」



マジで恐るべし。


店の扉を開けて入ってゆくアキの後ろを歩きながら、フと辺りを見渡す。


しっかし、ほんとうに女子ばっか。びっくりするくらいアキが浮いててウケるんだけど。


扉は無色透明なガラス。店内のテイクアウト用カウンターが扉越しに見える。


ちょっと探るような居心地悪そうなアキが先に店内へ足を踏み入れたのを確認してから、続いて入らず一旦扉を閉めた。


そしたら案の定不思議そうな表情で扉越しにあたしを見てるアキを、スマホで激写した。


可愛らしいお店の様子も踏まえつつ。



「写真? そういうの撮るタイプだっけ?」

「いや、アキがあまりにも場違いだったからつい。なんかひとりで来てるみたいになってて笑えるし」

「よーし、今すぐ消せ」

「永久保存するに決まってんじゃん」



そう言ってすかさず画面をロックし、鞄の中に閉まった。