少しだけ顔を持ち上げ、髪の隙間から前の席を覗き見る。


アキは相変わらず横向いたまま、教室内に目を向けてる。


あれ? 気のせいだった?


そう思った矢先、アキは口を動かした。



「知ってる? スターツスイーツが新しく店出したらしいぞ」



あっ、やっぱり空耳じゃなかった。



「うん、知ってる。今度のは店内にカフェがあるらしいね」



イートインスペースが出来た分お店も大きいし、何より店内でしか食べれないスイーツが売り出されるってまおみが言ってた。


でもすごい人らしいけど。



「……今度、行く?」

「……」



…………ん?


んんんんんんんん?


それって……。


もしかして……。








「もしかして……おごってくれるって事?」

「……まぁ、報酬としてな」

「行く!」



やった! ラッキー!!