特に話す事も無かったし、席も離れてたからそのまま半年が過ぎてたけど……。
「ツヤコ?」
ふたつの大きなねこ目が、あたしを不思議そうに見つめてる。
右に流れた前髪がはらりと彼の瞳をほんのり隠した頃、あたしは目を逸らし、机に伏せた。
「……ううん、なんでもない」
トントントンーー。
小さくノックする音が聞こえる。
その音はあたしの胸の奥、心臓のそばで聞こえてくる。
扉をノックするように、何かを開けようとでもするように……。
……ああ、夏も終わって冬の匂いがし始めてるっていうのに、体が妙にポカポカするなぁ。



