朝、登校するといつもより下駄箱がざわざわしていた。

なんだろう?

こそこそと話し合う人たちの間を通ったとき、「リンカちゃんと飛鳥が…」という言葉が聞こえてきた。

リンカ、須藤リンカ。

昨日、初めてあんな間近で見たけどあの子はホントに可愛いと思う。

というか、もう美人とか通り越して私からしたら神に等しいかも。

彼女は憧れの存在。

うらやましい。
あんなに可愛ければ、なにをしても可愛いだろうなぁ。


でもなぜか一部の人には嫌われているというか、妬まれている?


そりゃあ、あれだけ目立てば、そうなるのかな。


「あ」


しまった。

唐突に、ジュースを持ってくるのを忘れたことに気づいた。


今日は二時間目に体育があるし、仕方ない、買っていこう。


販売機はここから、右の廊下の突き当たりにある。

私はそこにむかって歩き出した。



紅茶とリンゴジュースどっちにしようかな。

自販機の前で悩んでいると、微かだけど男女の声がした。