「んじゃ、痛いなって感じたらすぐ左手上げて教えてね。ってか、智也、左手握ってたら上げられないじゃん。握るなら右手にしろよ」
「おっと。ごめんごめん」
改めて右手を握って。
視界に櫻田先生が器具を手に取る姿が見えて、怖くて目を閉じた。
「陽菜ちゃん、大丈夫だからね。僕がそばについてるから」
耳元で智也先生に囁かれて、ドキッとすると同時に少し安心した。
「陽菜ちゃん。ゆーっくりでいいから、大きくあーんしてな」
目を閉じたままゆっくり口を開いた。
あの嫌な不気味な音がして。
歯に大きな振動が伝わって。
「んんっ……」
ヤダ……やっぱ怖いっ……!
治療する先生が違うってだけでこんなに不安になるなんて……。

