「そっか……わかった」
櫻田先生は一応笑ってはいるが、かなり悲しそう。
「でも、根っこの治療で後で炎症を起こす事ってあるんですか?」
「うん。たまにね」
私は大丈夫だったけど……。
「純、ちゃんと恵里奈ちゃんに治療の説明はしてあげた?」
「したよ。説明するの苦手だけど」
「うん。純は昔から説明する事が苦手だけど、いつも一生懸命、治療の説明を丁寧にしてるよね」
智也さんはソファーに座る櫻田先生に前にしゃがみ込んで、目を見ながら穏やかに話している。
「ただね、今回は根っこにかなり大きな膿の袋ができてたみたいだけど……治療後に炎症が起きる可能性がある、とは言わなかったの?」
「あっ……」
櫻田先生はしまったという表情をして、少々泣きそうになった。

