「桜花を返せよ」




綺麗な男ははっきりと言った




あれ………?私この声聞いたことある



凛としていて、低音が綺麗な声



遥斗だ…………




「無理だ」



男がニヤっと笑って立った




そしたら遥斗は顔色を変えた



「てめぇー!桜花に何しやがった!!!」


あ………もしかして今の私の格好を見て怒ってくれてるのかな?



「別に、襲って――――」



男が喋っていた言葉を言う前に遥斗が男を蹴り飛ばした




は、遥斗って喧嘩できるんだ〜



って、そんな事に感心してるばーいじゃないでしょ!




「桜花!大丈夫か?」


「うん、遥斗が来てくれたおかげで助かった」



私が笑ってお礼を言うと遥斗は微妙に顔を赤くした



きっと気のせいだよね



「そうか。でもこれ着とけ」



そう言われて遥斗の着ていたパーカーを私に着せた


「あ、ありがとう」



きっと今の私は顔が赤いと思う






「て、てめぇー何もんだ!」


男は叫んだ



「誰だと思うよ」



遥斗は余裕ありげに笑った



「天龍のもんか!」









「橘組の若頭だ」