ラグタイム

「ああ、そうだった」

藤本さんは思い出したと言うように言った。

「実は、朝貴がどこに向かったかわかったんだ」

そう言った藤本さんに、
「ええっ、ホントですか!?」

あたしは聞き返した。

「居場所はまだつかめていないけど、電車を乗り継いで関西に向かったと言うことだけはわかった」

「か、関西ですか?」

何でそんなところに向かおうと思ったんだ?

「朝貴が関西で行きそうなところはあるか?

例えば、大阪か京都に知り合いがいるとか」

そう聞いてきた藤本さんに、
「いや、知り合いはいなかったと思います。

小学校の修学旅行で京都と奈良に行ったくらいですし」

あたしは答えた。

そもそも、心当たりが全く浮かばない。