「俺と、結婚を前提に交際して欲しい」

そう言った武人に、
「いい、の…?」

あたしは聞いた。

「ああ、夕貴が好きだ」

武人が言った。

「あたしも、武人が好き…」

呟くように言ったあたしに、武人の顔が近づいてきた。

あたしはそっと、目を閉じた。

唇に、温かい感触が触れた。

一瞬だけ触れたそれが離れた瞬間、あたしは目を開けた。

「夕貴…」

武人があたしの名前を呼んで、あたしを抱きしめた。

「武人…」

あたしも武人の名前を呼んで、武人の背中に両手を回した。


☆★END☆★