こんな朝から誰だ?

寝ぐせがついた髪をテキトーに手でとかしながら、パジャマ姿で玄関へ向かった。

「はーい…」

ドアを開けて絶句した。

「よっ」

そこにいたのは、若頭藤本だった。

「な、何しにきたんですか…?」

そう聞いたあたしに、
「何しにって、迎えにきたんだよ。

今日から働くんだろ?」

藤本さんが答えた。

「いや、それはわかりますけど…でも、わざわざ何で迎えに?」

続けて聞いたあたしに、
「お前、店の場所知ってるか?」

藤本さんが答えた。

…ごもっとも過ぎて返す言葉がありませんでした。