あたしもテーブルのうえに置いていた懐中電灯を消すと、武人に渡した。

「ん」

武人はあたしの手から懐中電灯を受け取った。

「こりゃ、営業は無理だ。

さっきケータイで確認して見たら、警報が出てた。

これ以上ひどくならないうちに早く帰った方がいい」

藤本さんが言った。

「僕たちもそう思いました」

そう言って翼は窓の外に視線を向けた。

「よし、今日はもう帰ろう。

明日は…どうなるかわからないけど、とりあえず警報が解除されるまで自宅で待機するように」

「はーい、わかりましたー」

「お前ら、期待してただろ…?

と言う訳で、本日は解散」

藤本さんがそう言ったのと同時に、あたしたちはホールを後にした。