【完】幸せをくれたあなたに。





席に着くと、担任が入ってきては号令をして、話が始まった。


「ねえねえ、琴」

隣から藍那が、小声で私を呼んだ。


「ん?」

「後で、ちょっと話があるんだけど……」


話?


きっと、この時の私は少し予想できてたかもしれない。


「うん。わかった。じゃあ昼休みね」

「うん!」



少し嫌な予感がする。


この胸騒ぎはなに……?



知ってはいけない、聞いてはいけない、



なにかが壊れてしまうような、変わってしまうような、そんな予感が私にはしたんだ──……。