【完】幸せをくれたあなたに。





「琴、昨日はごめんね」


朝、学校に着いた時、藍那が私の席まできて謝ってきた。


「謝られることなんてされてないよ。それより大丈夫なの?」


最悪な出来事が起きたのは、昨日。


こんな早く学校にきて、大丈夫なの?


「うん。もう……」


藍那が、私に笑顔で言ってきたけれど、私じゃない後ろの席に視線を向けている。


「……?」

私も、藍那が見つめるその視線と同じ後ろを見た。


……?

私はなぜか動揺している。


藍那が見つめる先は、今学校に来た、松井くんだった。


「あい……な? ……どうかした?」


ボーっと松井くんを見つめる藍那に話しかけた。


「へっ? ……え、あの、ちょっとボーっとしてたや」

えへへ、ととぼけたように笑う藍那。

「そっか」


と、そんな時予鈴がなった。