【完】幸せをくれたあなたに。





「そんなわかりやすかった?」


「まあね。ていうか、みーちゃんは可愛い……よ?」

「え? ……ああ。ありがと……」


一瞬反応してしまった私だけど、お世辞なんだとすぐにわかった。


「みーちゃん顔に出てるよ」

「え?」

「言っとくけど、俺お世辞とかじゃないから。俺みーちゃんのこと本気だから」


えっと……なにこれ


「う、うん」

一応、返事をした。


遥生くんは、私の手を掴み


「と、とにかく! 家どっち? 送ってくから」

と引っ張られてしまった。


言っても聞かなさそうな気がして、道を教えると送ってくれた。


「ここだから。ありがとう」

「みーちゃん!!」


お礼を言うと、遥生くんが私を呼んだ。

振り返り、遥生くんを見た。


「どうしたの?」


薄暗くて遥生くんの表情は、見えにくかったけど、どこにいるかは見えた。