「ふーん。そうなんだ」
男の子は私を見て、納得したかのように言った。
いや、私してないんだけど。
そう言おうかと思ったけれど、どうせゴチャゴチャになるような気がして、言うのをやめた。
男の子は女たちのほうに目線が戻り、「それにしても……」と言葉を続けた。
「こんな人気のないところで、なにしてたの?」
男の子のその言葉で、女たちがギョっとして焦り始めた。
こんな美形くんの前で、可愛い女の子に嫉妬してなんて……って
そうだ。
藍那を早く助けに行かなきゃ。
私は、女と美形くんを置いて、気づかれないようにその場を離れた。

